遺伝子操作(読み)イデンシソウサ(その他表記)gene manipulation

デジタル大辞泉 「遺伝子操作」の意味・読み・例文・類語

いでんし‐そうさ〔ヰデンシサウサ〕【遺伝子操作】

遺伝子を人為的に組み換えたり、それを生細胞に移入したりして操作すること。

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関連語 名詞

精選版 日本国語大辞典 「遺伝子操作」の意味・読み・例文・類語

いでんし‐そうさヰデンシサウサ【遺伝子操作】

  1. 〘 名詞 〙 遺伝子を人為的に組み換えたり、それを生細胞に移入したりして操作すること。

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改訂新版 世界大百科事典 「遺伝子操作」の意味・わかりやすい解説

遺伝子操作 (いでんしそうさ)
gene manipulation

広義には,生物の遺伝子およびその組合せを人為的に変化させること。最も古い形は,植物の栽培と動物の家畜化である。これは,自然集団から有用な形質を持つ個体または集団を選ぶことであったが,それによって集団の遺伝子構成が変化しただけでなく,育種が可能になり,以後の人為交雑への道が開けたのである。現代に至って,放射線や種々の化学物質が突然変異を誘起することが明らかになり,これらの変異原を用いた突然変異育種も行われるようになった。

 遺伝子の実体DNAであることが判明してからは,DNAを媒介にした分子育種も部分的には可能になっている。これが狭義の遺伝子操作で,遺伝子工学gene engineeringと同義である。この場合,DNAの供与体と受容体が同一種でなくともよく,いわゆる分子雑種が容易に形成できる。遺伝子操作は本来は無方向的である突然変異に方向性を与える技術であるとも言える。今のところは細菌や下等菌類が受容体として用いられているが,高等生物への応用も試みられつつある。しかし,それによって生じる生物が人間社会を含めた,生態系としての自然に与える影響が不明なので,この技術の応用には十分な注意を払う必要がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「遺伝子操作」の意味・わかりやすい解説

遺伝子操作
いでんしそうさ
gene manipulation / gene recombination

任意の生物の遺伝子 DNA (デオキシリボ核酸 ) をベクター (遺伝子の運び役) となる DNAに結合させ,それを異種の細胞 (宿主) に導入して増殖させる方法。遺伝子組み換え,組み換え DNA技術ともいう。 1973年スタンフォード大学のスタンリー・コーエンらによって基礎的技術が確立された。適当な制限酵素切れ目を入れたベクターに同じ種類の制限酵素で処理した任意の DNA分子を挿入し,DNA連結酵素によって結合させたのち,ベクターを取り込みやすくした生細胞に取り込ませる。もともとは分子生物学の研究手法として開発され,遺伝子 DNAの研究に大きく貢献している。この方法によってヒトホルモンなど有用物質を細菌その他の細胞で生産させることが可能であることからバイオテクノロジーの中核技術ともなっている。

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栄養・生化学辞典 「遺伝子操作」の解説

遺伝子操作

 遺伝子工学という場合も多い.組換えDNAともいい,異種のDNAを試験管内で作ったり,本来生物のもつDNAを改変したりすること.

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